OK/NG/グレー事例集
税務実務に基づく判断事例。緑=OK、赤=NG、黄=グレー。
以下は税務上の実務判断事例です。導入・運用の検討に役立つ典型例を、OK・NG・判断が分かれるケースに分けて整理しました。
OK(非課税)事例
Section titled “OK(非課税)事例”OK(非課税)
仕出し弁当の現物提供と一律給与天引き
毎日1食800円(税込・軽減8%)の弁当を、従業員負担400円(税込)を給与天引き。月20日利用時、会社負担税抜は約7,400円(10円未満切捨て後)で7,500円以下。証憑:賃金台帳の天引きと業者請求書の一致。
OK(非課税)
在宅勤務者向け・食事専用電子食券
食事用途限定の決済アプリ。1回上限2,500円、お釣りなし、他用途・譲渡禁止。会社10,000円(税込)付与・従業員5,000円天引きで自己負担50%。国税庁の在宅勤務FAQ条件を満たす設計。
OK(非課税)
残業中の夕食弁当(全額会社負担)
通常勤務時間外の残業・宿日直に弁当を現物配付。所得税基本通達36-24により、50%負担・月7,500円の要件は適用されない(別枠)。
OK(非課税)
深夜シフト勤務者への金銭夜食(650円以下)
22時〜翌5時が通常勤務時間のシフト従業員に、1回500円(税別)の夜食手当。改正後の上限**650円(税別)**以下。深夜勤務実績と紐づけて支給。
NG(給与課税)事例
Section titled “NG(給与課税)事例”NG(給与課税)
繁忙月のわずかな上限超過→全額課税
1食あたり会社380円補助×22日=税抜会社負担約7,740円。240円の超過で、その月の会社負担8,360円全額が給与課税。累積上限ストッパーが必須。
NG(給与課税)
領収書ベースの口座振込精算
従業員が店舗で支払い、50%を翌月口座振込。国税庁質疑応答どおり金銭支給とみなされ、補助額全額が課税。当社は購入時点の現物支給ログのみ(後日精算なし)。
NG(給与課税)
社員食堂で自己負担が50%未満
材料費300円の食事に100円のみ徴収(約33%)。月の会社負担が7,500円以内でも、会社負担全額が課税。
NG(給与課税)
QUOカード・Suicaチャージの支給
食事以外に使える汎用手段は現金同等とみなされ全額課税。当社はFeliCaを自販機内食品購入のみに限定。
NG(給与課税)
通常残業の22時超えへの現金夜食600円
日勤社員の残業による22時超えは深夜シフト特例の対象外。現金支給は全額課税。残業食事は現物支給が前提。
グレー(判断が分かれる)事例
Section titled “グレー(判断が分かれる)事例”グレー
残業者の自己購入・レシート実費精算
会社が手配できない合理的事情があり実費弁償として精査すれば非課税と解釈される場合もあるが、レシートに酒類等が含まれると制度全体の信頼性を損なう。当社モデルでは該当しない。
グレー
8%と10%混在による判定のブレ
税込8,100円の会社負担でも、8%主体なら税抜7,590円で全額課税、10%主体なら非課税。税率ごとの税抜判定と安全マージンが必須。
グレー
飲料単体の補助
飲料のみの補助は税務上のグレー論点(G-1)です。初期運用では飲料を補助対象外とするのが無難です。弁当と同時購入のセットに限る場合は、別途判断が分かれます(G-5)。
グレー
飲料+食事セット購入時の飲料分の補助(G-5)
「食事の一部」として説明しやすい面はあるが、飲料単体(G-1)と同様に切り出して否認されるリスクが残る。個別の取扱いに注意が必要。
グレー
トクホ・機能性表示食品の扱い(G-6)
健康訴求の強い商品は「食事」ではなく「サプリメント的な物品」とみなされるリスクがあり、飲料単体と同様の扱いになり得る。補助対象に含める場合は慎重に判断する。
グレー
食事スペースにテーブル・椅子を併設した場合の消費税率
自販機での販売単体は「飲食料品の譲渡」で軽減税率8%だが、テーブル・椅子を併設すると「飲食設備での提供」とみなされ標準税率10%と判定されるリスクがある。契約書に「什器は販売機専用の飲食設備ではない」旨を明記し、筐体に「テイクアウト前提」表示をすることで8%を維持しやすくなる。
一覧表(抜粋)
Section titled “一覧表(抜粋)”| カテゴリ | シナリオ | 判定 |
|---|---|---|
| 仕出し弁当 | 外部仕入れ・天引き折半 | OK |
| 在宅食券 | 食事限定・換金不可 | OK |
| 残業食事 | 会社手配の現物 | OK |
| 深夜金銭 | シフト勤務・650円以下 | OK |
| 実費精算 | 後日振込 | NG |
| 汎用電子マネー | QUO/交通系チャージ | NG |
| 限定補助 | 管理職のみ等 | NG |
| 税率混在 | 税込のみの上限設計 | グレー |
| 飲料単体 | 飲料のみの補助対象化(G-1) | グレー |
| 飲料+食事セット | セット購入時の飲料分(G-5) | グレー |
| トクホ・機能性食品 | 健康訴求商品の補助対象化(G-6) | グレー |
| パート按分 | 按分基準の合理性(G-9) | グレー |
| 飲食設備併設 | テーブル・椅子併設時の税率区分 | グレー |